2014年12月16日火曜日

平均在院日数の限界

日本病院団体協議会の代表者会議は11月28日、次期診療報酬改定に向け、平均在院日数の短縮が限界まで来ているとの認識を確認し、主要な疾病の在院期間の実態を把握するな どエビデンスを構築していく方針を決めました。加納繁照議長 (日本医療法人協会長代行)、 楠岡英雄副議長 (国立病院機構大阪医療センター院長)が代表者会議後の会見で明らかにしました。






加納繁照議長は会見後、「次期改定で平均在院日数に切り込みを入れてくる可能性が極めて高いです。日病協としては平均在院日数の短縮がもう限界という意見が大勢です。現場の実態を主張できるよう理論構築に着手したい」と述べられました。実務者会議の猪口雄二委員長 (全日本病院協会副会長)も 、「平均在院日数は、海外との単純比較で日本は長いか ら短縮せよと言われているが、背景にあるマンパワーなどが全く異なる。そうした切リロなども含め実務者会議で調査・分析していきたい」としました。
加納繁照議長は会見で、中医協・診療報酬基本問題小委員会で、DPC評価分科会からの2013年度退院患者調査結果に対し診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)が 、医療現場は平均在院日数の短縮に苦慮していると発言していることなどを取り上げ、日病協としても大きな問題意識をもっているとしました。
DPC評価分科会の調査では、DPCI群は2009年の平均在院日数が16.03日が2013年には13.99日と2日弱短縮し、Ⅱ群は13.92日から12.66日、病院数が最も多いⅢ群は14.60日から13.21日の短縮となっています。加納繁照議長は、こうした4年間での日数短縮の実態を紹介しながら「これ以上の短縮は、医師、看護師などの医療スタッフを増員し、医療提供体制を変える必要がある」とも指摘しました。
一方、中医協では、第20回医療経済実態調査 (実調)の項目などの検討に入っているが代表者会議では実調で2014年度から新会計基準に移行した自治体病院の調査について議論されました。2013年度の旧基準と2014年度の新基準による調査の2通りが求められる可能性がありますが、加納繁照議長は「新会計基準になった2014年度調査を旧基準でも実施するのは、現場にとって大変厳しいとの感触だった」と述べられ、今後の中医協で調査設計に関する議論を見守る姿勢を示しました。

適正な在院日数とはどのような値になるのでしょうか。それぞれ疾患も異なれば医療提供の環境も異なる。さらに広報連携先の状況も異なると思います。社会保障費の抑制の観点からみれば短いに越したことはないでしょう。でも国民の多くは、患者も家族も転院や在宅への帰宅は時として不安を大きく受けます。担当医に見放されたと。そこには説明不足による医師の責任もありますが、外国と風土文化が異なるところもあります。もちろん環境だって大きく異なります。地域包括ケアシステムの構築により患者を病院から在宅へと復帰させていこうとすることは間違っていないと思いますが、制度と環境の整備をしっかり行ったうえで進めていきたいものです。








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