2014年12月24日水曜日

重症患者の夜間ヘリ搬送 京都第一赤十字病院

京都第一赤十字病院の高階謙一郎・基幹災害医療センター長は、負傷者をヘリで搬送するため深夜の離発着となったが、周辺住民から苦情はなかったと話されました。福知山花火大会事故の重症患者を受け入れた京都第一赤十字病院の高階謙一郎・基幹災害医療センター長は12月4日、東京医科歯科大で開かれた日本集団災害医学会学術集会のシンポジウムで、夜間におけるヘリ運用の実情や改善すべき事項などを報告しました。






 高階センター長は、2013年8月に京都府福知山市で開催された花火大会で多数の熱傷患者が発生した際、重症熱傷の患者を府内外の病院に分散搬送した経緯などを説明されました。広範囲熱傷の患者を市立福知山市民病院から京都第一赤十字病院まで搬送するため、深夜にもかかわらず、京都市消防局の消防ヘリが飛びましたが、熱傷患者に合わせた機内換装などを行ったため、福知山市民病院屋上のヘリポートに着陸するまで、救急応援出動要請を受けてから約1時間20分かかったといいます。
 高階センター長は、消防ヘリの機内環境についても言及し、傷病者と医師の座席が離れている、夜間搬送時には機内の照明が暗く、傷病者の観察には適さない、照明を明るくすると運航に支障が出るため、点灯は急変時だけに制限される、などといった問題点を挙げました。
 一方、京都市消防航空隊が2011年9月から西日本で初の消防ヘリによる24時間運航を始め、夜間飛行訓練を年間60回近く行っていたことについては、「夜間離発着訓練を事前に行っていたため、今回の運用につながった」と評価されました。深夜の離発着になったため、周辺住民の生活に影響を及ぼす恐れもありましたが、今回の搬送では、住民からの苦情はなかったといいます。
 今後の対策として、夜間ヘリ運用要領の策定や周辺住民への周知・説明、夜間飛行に熟達したパイロットの養成などが求められると指摘しています。また、夜間は格納庫からの出庫準備や、天候の状況の確認、目的地までの経路選定などを昼間よりも少ない人員で行うため、出動まで時間がかかることも考慮する必要があるとしました。

夜間の救急ヘリは発動がないに越したことはありませんが、それでも事件や事故などにより僻地に急患がいたらその存在はとても大きなものです。ただこれまで夜間飛行訓練を年間60回近く行っていたとのことですが、それだけ行なっていて、傷病者と医師の座席が離れている、夜間搬送時には機内の照明が暗く、傷病者の観察には適さないなどの問題点にまでは辿りつかなかったのかと思うと訓練の精度に疑問を抱かざるを得ません。








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