2014年12月28日日曜日

介護報酬改定に向けて

厚生労働省は12月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会 (分科会長=田中滋・慶応大名誉教授)に 、2015年度介護報酬改定に向けた審議報告案を提示しました。早ければ2015年1月9日に予定する次回会合で審議報告を取りまとめます。






厚生労働省は、地域包括ケアシステム構築の更なる一歩となる2015年度介護報酬改定に向けた基本的な考え方として、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築、の3項目を提示しています。これまでの議論を踏まえ、サービスごとに見直し案を示しました。介護療養型医療施設では、看取りやターミナルケアなどの長期療養や、喀痰吸引といった医療処置の機能を今後も確保するため、「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」として重点評価することを盛り込みました。この提案に対しては平川則男委員(連合総合政策局生活福祉局長)から「(制度上廃上の)基本方針が変わっていないと言いつつ、新たな機能強化型を打ち出すのは、違和感を感じる。理屈として合わないのではないか」との意見も出ました。
訪問看護の見直し案では、将来的な訪問看護従事者の増員に向け、病院や診療所からの訪問看護供給量を拡大するため、病院や診療所からの訪問看護の基本報酬を引き上げる方針を示しました。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「病院・診療所からの訪問看護だが、病院というのは地域包括ケアシステムを構成するかかりつけ医機能を持つ中小病院が考えられる」と述べた上で、病院の機能分化や地域包括ケアシステムの方向性との整合性を図る必要性も指摘しました。齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は、「多くの事業所があり市場が競合するような地域では、小さい事業所が経営困難になるのではないか」と懸念を示しました。
介護老人保健施設については、在宅復帰支援機能を更に高めるために、リハビリテーション専門職の配置などによって、在宅強化型基本施設サービス費と在宅復帰・在宅療養支援機能加算を重点的に評価することを示しました。 介護人材確保対策では、介護職員の処遇をさらに改善させるため、現行の介護職員処遇改善加算の仕組みを維持しつつ、更に資質向上などに取り組む事業所を対象に、更なる上乗せ評価を行ないます。内田千恵子委員(日本介護福祉士会副会長)は「加算が有ることで介護職員の報酬に反映されている事実もある。今後も取り組んでいただきたい」とコメントされました。一方、本多伸行委員 (健康保険組合連合会理事)は「保険料を用いて処遇改善をするのは筋としていかがなものか」と指摘され、「例外的な措置を2度にわたって実施しなければならない論拠には乏しい」と述べられました。

介護報酬はマイナス改定が多く言われている状況ですが、おそらく大きく逸れることはないでしょう。特に特養と通所介護のマイナスが言われていますが、社会福祉法人のあり方にすらメスが入れば、小規模の事業所は本当に厳しい改定になると思います。介護職員の確保がこれからも重要となりますが、加算ではなく制度の本質からしっかりと組み立てて頂いて、地域包括ケアを促進する体制を構築できる光を与えるべきではないでしょうか。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


0 件のコメント:

コメントを投稿