紀南こころの医療センターには2014年3月末まで常勤医が7人いましたが、2015年1月には4人に減少します。精神保健福祉法に基づき、患者の強制入院や隔離、拘束の判断ができる精神保健指定医も3人いましたが1人になります。許可病床は198床ですが、現在稼働は144床にとどめて運営しています。
4月に常勤医6人(うち指定医2人)となり、6月には常勤医2人が体調不良で休職したことから4人(同1人)になったため、時間外救急を一部制限するなどして対応しておりました。
7月からは県立医大(和歌山市)から指定医の派遣を受け、野上厚生病院(紀美野町)からも当直応援を受けて5人(同2人)体制で運営してきました。しかし、10月に県立医大の医師2人が体調不良となり、医師派遣が12月末で中止となりました。野上厚生病院からの当直応援も10月末で終了しました。県内の公立病院はどこも医師不足で、補充のめどが立たないという深刻な状況です。
紀南こころの医療センターは紀南で唯一の公立精神科病院です。2014年度、11月末までの時間外救急患者の受診は269件で、うち入院は48件でした。今後は県立こころの医療センター(有田川町)が受け入れを担っていきます。患者や関係機関には11月中旬から周知しており、これまで大きな混乱はありませんでした。
糸川病院長は「医師不足で残された医師は業務過多になっています。医師の都会偏重や公立病院敬遠といった構造的な課題解消が必要です」と話しています。
地方の病院における医師不足は深刻さを増していきます。和歌山県といえば大阪府に隣接する県ではありますが、紀南こころの医療センターのある田辺市は大きく離れており、大阪府内からの応援も期待することは難しいでしょう。これからますます医師不足は地方で深刻な問題となっていきますが、残って頑張って下さっている医師のためにも、何とか制度の見直しで負荷が緩和されるようになることを切に願います。もう一つ一つの病院で考えていく時代から、一次医療圏もしくは二次医療圏で診ていく体制に切り替えていかなければならないのではないでしょうか。地域医療構想もこれから本格的に各都道府県で協議が進んでいきますが、いかに法人の枠を超えた連携を進めていけるか、課題となることでしょう。
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