2014年12月25日木曜日

7対1病院における重症度、医療・看護必要度

一般病棟7対1入院基本料(7対1)を届け出る病院のうち、7対1入院基本料の施設基準の「重症度、医療・看護必要度」の基準を6月時点で満たしていた割合が約8割にとどまることが、日本病院会(日病)の調査で分かりました。






 7対1入院基本料の重症患者の受け入れに関する基準は2014年度診療報酬改定で厳格化されました。具体的には、血圧測定や時間尿測定、喀痰吸引の実施などを、重症かどうかを判断する項目から除外されました。その一方で、抗悪性腫瘍剤の内服といった項目が追加されました。7対1の施設基準では、これを満たす重症患者の割合が15%以上であることを求めています。この見直しによる影響の緩和のため、9月末まで経過措置が設けられていました。
 日本病院会は7-9月に、2014年度改定に関する会員病院の調査を実施し688病院から有効回答を集めました。このうち、7対1を算定している415病院に重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の割合を聞いたところ、1.7%が「13%未満」、4.8%が「13%以上15%未満」と回答した。11.1%は無回答という結果でした。

 2014年度改定では、特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料でも、重症者の受け入れに関する基準が厳しく見直されています。
 日本病院会の調査では、特定集中治療室管理料3か4を届け出る208病院の10.6%が、ハイケアユニット入院医療管理料2を届け出る34病院の20.6%が、それぞれ6月時点で、患者の重症度に関する基準を満たしていないと回答しました。無回答は、特定集中治療室管理料3か4では12.0%、ハイケアユニット入院医療管理2では14.7%でした。基準をクリアしていたのは、特定集中治療室管理料3か4では77.4%、ハイケアユニット入院医療管理2では64.7%でした。
 どちらの管理料も、一定の間、重症度に関する基準を満たしていると見なす経過措置があります。その期限は、特定集中治療室管理料は2014年度末まで、ハイケアユニット入院医療管理料は9月末まででした。
 この結果について日本病院会は、「重症度の高い特定入院料の要件の厳しさがうかがえる」としています。

 さらに、688病院の回答を基に、診療収益や医業損益についても分析しました。2014年6月の診療収益(入院+外来)の平均値は、前年同期比で2.57%増え、診療単価も、入院で3.19%、外来で2.33%、それぞれ増加していました。
 ただ、医業損益について調べたところ、費用の伸びが収益の伸びを上回り、赤字の病院が58.2%から66.3%に増加していました。特に材料費などの伸びが大きく、「消費税増税による影響も大きい」と指摘しています。さらに、「今回の改定は、赤字病院の拡大など病院経営に大きな打撃を与えた」としています。

各病院は病床機能報告を先日に届出を終えましたが、これからどのような機能で病院を運営していくのか、飽和状態といわれている7対1を算定し高度急性期を目指していくのか、目指したい姿と現実の姿が今はっきりとしてきていると思います。7対1の算定は厳格になってきており、おそらくまだ7対1の病床が過剰とみられれば、さらに厳しくなることが予測されます。本当に重症度の高い患者を多く診ているのか、また今後も引き続き診ていくのか。これから医療は地域包括へとシフトしていく流れですが、その中で高度急性期の担う役割は広がるのでしょうか。国の方向からすれば、社会保障費の抑制を図りたいわけですから、そうなると高額な医療は是が非でも抑えたいものです。その中で、どのような医療の役割を担っていくのか。どのような地域ニーズに貢献していくのか。総合的ではなく専門的な医療へと変わっていくのではないかという見方もありますが、2025年はどのようになっているのでしょうか。








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