2014年8月4日月曜日

医療・年金の自然増は8300億円  15年度予算概算要求基準

政府は7月25日、2015年度予算概算要求の基本方針を閣議了解しました。医療・年金などの経費は今年度予算分 (293兆円)に自然増分8300億円の範囲内で上乗せした額の要求を認めました。裁量的経費については、今年度予算額から1割を削減する一方、骨太の方針2014や成長戦略改訂版などを踏まえた諸課題に充当する「新しい日本のための優先課題推進枠」として要望基礎額の30%(約4兆円)の要求を認めました。
同日の経済財政諮問会議の議論を経て、閣議了解しました。自然増については「高齢化による増加とそれ以外の要因による増加などその内容を厳しく精査していくことを含め、合理化・効率化に最大限取り組み、その結果を15年度予算に反映させることとする」としました。消費税10%への引き上げに伴う社会保障の充実については、引き上げの判断も含めて予算編成過程で検討することとなります。
経済財政諮問会議は同日「15年度予算の全体像」も了承しました。医療・介護を中心とした社会保障給付の自然増の内容を厳しく精査する、地域横断的な医療・介護情報のICT化による「見える化」を進め、先進的事例の普及などによって支出の効率化を図る、地域医療構想と整合的な医療費水準などに関する目標設定などを通じて医療・介護提供体制の適正化を推進する、薬価調査・薬価改定の在り方などについてその頻度も含め検討する、介護報酬改定で社会福祉法人の内部留保の状況も含めた適正化を行いつつ、介護保険サービス事業者の経営状況などを勘案して見直す一などが盛り込まれています。






麻生太郎財務相は7月25日の閣議後の会見で、2015年度予算編成に向けて年金・医療など社会保障分野の自然増の内容を厳しく精査し、合理化・効率化に最大限努める考えを示されました。「持続可能な社会保障制度にするためには(保険料や税財源で賄い切れていない現状から脱却し)給付と負担のバランスを取ることが急務です。毎年1兆円の自然増があるといわれるが、それではとても財政は持たない」と述べられました。

また、田村憲久厚生労働相は7月25日の閣議後の会見で、2015年度予算の概算要求について、社会保障の質を落とさずに効率化を進めるための予算要求にするとの考えを示されました。「医療、介護、障害者福祉を含めて社会保障の質が落ちれば、国民の皆さまからお叱りを受けることになる」とした上で「質が落ちず、一方で効率化が進められるところはしっかりと進めていくということで、年末に向けて予算要求していく」と述べられました。同日に閣議了解された15年度予算の「概算要求に当たっての基本的な方針」では、年金・医療などに関する自然増分8300億円を加算した予算要求が認められた一方で、同経費について合理化・効率化に最大限取り組み、予算に反映させるとの方針も盛り込まれました。田村憲久厚生労働相は「これまでもそういう文言はいろいろなところにあり、効率化は不断の努力をしてきた」としながら、「その中身は精査しなければならず、医療であれば医療の高度化のようにいろいろと要因があるので、どのような形で効率化するか、年末にかけて調整していかなければならない」と述べられました。「新しい日本のための優先課題推進枠」として3割増の要求が認められたことを受け、「こうした別枠を使って、政策的に必要 となる部分に関して要求する」とも述べられました。 抜本的な少子高齢化対策や、若者の東京への流出を止めてそれぞれの地域で充実した職業生活を営むための施策に関する予算も要求する方針を示しました。田村憲久厚生労働相は、政府が「まち・ひと・しごと創生本部」を設置することを踏まえ、「地方創生」に向けた施策を検討する「まち・ひと・しごと創生政策検討チーム」(主査=厚生労働事務次官)を厚生労働省内に設置することを発表しました。その上で「積極的にアイデアを出し、予算要求にも反映させていきたい」と述べられました。同チームには医政・健康・老健・保険の各局長も参加します。


医療・年金の自然増での8300億円は決して少ない額ではありません。合理化・効率化に最大限努めると声多く挙がっておりますが、これからの病院経営にも大きな影響を及ぼしていくことが予想されます。決して各病院がどんぶり勘定で多くの診療報酬を請求している訳ではありません。患者のことを思い、最適な医療を提供しその代価として必要な分を請求しているのですが、その絶対数を減らすような施策がこれから次々に出てくるのでしょう。また病院自体というか病床の削減も進んでいくことでしょう。医療は決して営利主義で行なっている訳では無く、公共インフラの機能として役割を担っている自負もあると思います。ただこれからは少しずつそのやり方を変えていくことが急務となってくるでしょう。








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