政府の推計では、改革シナリオ(各ニーズの単純な病床換算)での2025年の必要病床数として、高度急性期が22万床(平均在院日数15~16日、病床稼働率70%)、一般急性期が46万床(平均在院日数9日、病床稼働率70%)、亜急性期・回復期リハ等が35万床との数字が出ています。
伏見氏は「現在の医療現場の病床稼働率や平均在院日数から見ても、2025年に急性期病床(高度急性期+一般急性期)は68万床も必要ではなく、55万床程度で収まる見通しです」と述べられました。一方で亜急性期・回復期リハ等は、急性期患者の受け皿機能なども考慮すると、推計値を大きく上回る52万床程度が必要になると指摘されました。伏見氏は「必要病床数は、これからの医療提供体制を考えていく上で最も基礎となる重要なデータです。政府の推計は、現場への影響を考慮し、全体の病床数を大きく変えずに急性期と回復期の配分をどうしたら維持できるかという形でシミュレーションをしたのではないか」としており、急性期病床が多めに推計されていると指摘されました。
その上で「病床稼働率80%以上が安定的な病院経営としては一般的な数値であることや、平均在院日数9日への短縮は可能であることを考えると一般急性期は約40万床。一方、大学病院でも平均在院日数が15日を切っており、2025年には12日程度に短縮されています。病床稼働率70%では病院経営が成立しないことから80%で試算すると、高度急性期病床は15万床程度になる見通しです」とし、「高度急性期と一般急性期の定義の違いは明確ではないが、急性期病床全体としておおよそ55万床で充足すると試算できます。医療現場では、急性期病院の病床転換の動きがさらに活発になっていくだろう」と述べられました。
病床機能報告制度にむけて急性期病院とくに7対1病床の病院にとっては、決断の時期が差し迫ってきております。ただ進むも留まるも厳しい経営環境であることはみなが予測できることであり、だからこそ院長理事長は頭を悩ませているのではないでしょうか。ただやはり医療とは急性期であるという信念を持ち続けている医師はまだまだ多いというか大学医局をはじめ圧倒多数でしょう。急性期でなければ医師を派遣しても仕方ないでしょ、とまでおっしゃる大学医局すらありますから。しかし、これからの地域のニーズと厚生労働省の方針を見据えると、最適な医療を提供できる病院へシフトすることが望ましいのではないでしょうか。
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