堺会長は講演後、DPCと病床機能分化の関係について「高度急性期を担う医療機関はDPCI群とⅡ群にまたがる方向なのか、DPC病院の一部も地域包括ケア病棟を担っていくことになるのかなど、幅広い視点で検討していく」と指摘されました。各病院の判断については「地域での立ち位置を考慮しながら地域の需給バランスを踏まえた上で、病床転換などの方策について柔軟に判断すればよいのではないか」と述べられ、地域内の需給バランスを逸脱しなければ、病床転換などの経営判断は規制されるものではないとの認識を示されました。
その上で堺会長は、同日の病院長・幹部職員セミナーで伏見清秀氏(厚生労働省DPC研究班長、東京医科歯科大教授)が指摘した内容に注目しているとしました。伏見氏は「病床機能報告制度のレセプトデータから、各病院の値について地域平均や全国平均と比較した結果が出てきます。最初は病床機能を高度急性期や一般急性期だとして 自主的に報告するが、最終的にはレセプトデータに基づいて病院の機能を分けていくことができそうです。レセプトデータでかなりの部分が見えることから、DPC病院の一部は急性期でないと判断される可能性もあります」と述べられました。他の講演者からは「地域特性は重視される必要があります」との指摘もありました。
堺会長はこれらの指摘を重要視され、「報告制度でのレセプトデータに基づく病床機能分化の重要性について、参加者は再確認できたのではないか。地域医療の需給バランスがレセプトデータから分かれば、病院の立ち位置はおのずと明確になる」と述べられました。
いよいよデータを基にした病院の運営を行なっていく時代へと突入していきます。DPC制度で自病院の情報が筒抜けになりました。しかし反面、ベンチマークをおいて自病院を客観的に分析することもできるようになりました。情報をいかに活用するかで、それぞれの病院の運営に大きく影響を及ぼします。これまで通りの病院運営では生き残れない時代へとなっていくわけです。幸いにも医師はデータが好きです。データに基づいて説明されると納得します。ある意味、病院経営とビッグデータは相性が良いとも言えます。まずは、実績からどのような機能が求められているのか、見えてきます。それを踏まえてこの先どうしていくのか。いかに地域でイニシアチブをとれるのか。課題は山積みだと思います。
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