2014年8月1日金曜日

医療機関での携帯電話使用について

 日本医師会の石川広己常任理事は7月23日の記者会見で、総務省や携帯電話関連会社などでつくる電波環境協議会が取りまとめた「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針案」に対して見解を述べられました。携帯電話端末による電磁波の影響をなくすために担当者を配置すべきなどとしていることに対し、医療機関に過度の負担が生じないよう、指針の周知・運営の際には十分注意すべきだとの考えを示されました。


 指針案では、病室などでの携帯電話の使用は問題ないとした上で、医療機関での携帯電話の使用に関する適切なルールづくり、電磁波で医療用電気機器の動作に影響が生じる恐れがあるため、携帯電話端末を医療用電気機器の上に置かない、電磁波による他の機器への影響を防ぐため、良好な院内環境を図るための担当者の配置―などが必要だとしています。指針案をめぐっては、7月22日までパブリックコメントが実施され、日本医師会は7月22日に意見書を提出しました。







 意見書によると、「指針の内容は最大限、遵守されるべき」としながらも、電磁波の影響をなくすための担当者の配置に関して、現実的にその体制を構築できる医療機関は限られていると指摘しました。医療機関に負担が生じないような対応が必要だとしました。

 また、厚生労働省から関連する通知などが出た場合、医療界から広く意見を集めて対応すべきとしました。一方、医療用の電気機器メーカーには、電磁波の影響といったリスク情報の提供や適切な注意喚起、電磁波の影響が少ない安全な機器の開発を求めました。

 会見で石川常任理事は、「携帯電話や無線通信器は日進月歩で変わっていくことが予想されます。指針を柔軟にアップデートしていけるような体制を構築していかなければならない」と述べられました。


電子機器には精密な電子回路が内蔵されていますので、比較的弱い電波でも影響を受ける可能性があります。 電子機器そのものにも電波の影響を受けにくくするための対策がとられていますが、万全ではありません。 携帯電話の普及によって電子機器と近接する機会も増えるため、携帯電話の電波が電子機器に影響をあたえる場合が考えられます。 特に、病院内の医療機器や植込み型心臓ペースメーカ、植込み型除細動器などが誤った動作をしないように注意が必要です。
植込み型医療機器への影響の発生・防止に関する情報としては、平成9年に不要電波問題対策協議会(学識経験者、関係省庁、関係業界団体等から構成。現在の電波環境協議会。事務局:(社)電波産業会。)により、医療機関の医用電気機器をも対象とした「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」が策定されています。

電波の植込み型医療機器(植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器)への影響に関する調査として、LTE方式の携帯電話端末について実機による影響測定を実施した結果、植込み型医療機器の動作への影響は確認されませんでした。

ちなみに、携帯電話などから発生する電波については、総務省が電波利用における安全基準である「電波防護指針」を設け、人体に影響を与えない電波の強さの基準値を電波法、電波法施行規則、無線設備規則に定めていますので、携帯電話からの電波が健康に影響を及ぼすことはないと考えられます。

ただ効率化を図るために普及してきた携帯電話をはじめとした電気機器の利用を止めて、人力でカバーするという策はあまりにも稚拙な考えではないでしょうか。ただし病院内は絶対に安全な空間を維持しなければなりません。それが我々の最低限の務めです。それに反するのであれば、携帯電話も使用を禁じることも当然かもしれませんが、0か1かの決定ではない最善の策を我々自分たちで見つけ出していかなければならないということです。






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