2014年10月24日金曜日

都道府県ごとの平均在院日数や1人当たり医療費の差  経済財政諮問会議

政府が10月21日に開いた経済財政諮問会議 (議長=安倍晋三首相)で、伊藤元重・東京大大学院教授ら民間議員は、都道府県に「過剰病床」の解消を進めるよう求める資料を提出しました。資料では、都道府県ごとに平均在院日数や1人当たり医療費に差があると指摘しており、臨時議員として出席した塩崎恭久厚生労働相は「地方にお任せではなく、適正化・効率化が一層進むよう、何ができるか検討したい」と述べられました。






民間議員の資料によると、平均在院日数は高知が東京・神奈川の 2倍、人口10万人当たり病床数は高知が神奈川の3倍で、病床数と患者の受診率には高い相関関係があると指摘しました。後期高齢者の1人当たり医療費は、上位5県平均(福岡、高知など)が108万5000円、下位5県(新潟、岩手など)が75万8000円だとし、全体が下位 5県並みに下がれば 2兆2000億円を節約できると説明されました。厚生労働省に対しては、年度内に整備する予定の「地域医療構想策定のためのガイドライン」で、2040年度までの人口動態を考慮に入れた病床機能別標準病床数などを具体的・定量的に示すよう要求しました。地域医療構想と整合的な医療費水準(支出目標)や医療提供目標(平均在院日数、後発医薬品使用率など)を 設定し、取り組みの加速に向けて医療費適正化計画の枠組みを見直すよう求めています。
会議後に会見した甘利明経済再生(一体改革)担当相によると、菅義偉官房長官は「社会保障はなかなかメスを入れられないが、都道府県ごとの差をなくしていく、他県でできているならできないはずはない、というアプローチは大変に分かりやすい。積極的に取り組んでいくべき」と発言されました。民間議員からは「入院日数、病床数の地域差の是正を行うべきだ。アメとムチを使って、改革の目玉として厳しく取り組むべき」との意見が出たといいます。
議長の安倍首相は塩崎厚労相に対し、「医療費の見える化を含む医療保険制度の改革、薬市場の実態の早急な把握をはじめとする薬価制度の見直し、メリハリの利いた介護報酬の適正化など、社会保障の効率化・重点化により、質を維持しつつ国民負担を軽減していくよう議論を進め、年内をめどに諮問会議に報告してほしい」と指示されました。
医療費の抑制は、国の財政の健全化に向けた重要な取り組みであるということは理解できます。他国に比べ在院日数が長いこと、各都道府県により差があること、それらも十分理解はできます。ただ、高知県が東京都や神奈川県より平均在院日数が長いのは、本当に病床数と比例しているからと特定してよいのでしょうか。それぞれの地域における背景が異なることを考慮することがまず大事ではないでしょうか。それゆえ、都道府県ごとに地域医療ビジョンを策定するように方向付けされているはずだと思います。都道府県ごとで差をなくしていく、とは何故今そのような発言があったのか理解に苦しみます。








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