2014年10月7日火曜日

めざすべき看護体制   日本医労連

日本医労連は「めざすべき看護体制の提言」をまとめ、 9月8日に公表しました。働き続けるための労働条件として日勤の看護師配置「4対 1以上」など求めたほか、独自に積算した看護職員の必要数を示し、厚生労働省が看護職員の確保に努めるための目安としておおむね5年ごとに策定している「看護職員需給見通し」に反映させることを求めています。
提言では看護職として働き続けるための条件に加え、病棟や訪問看護などの勤務形態ごとに「求められる看護体制」や看護職員の必要数をまとめました。






働き続けるための労働条件については、日勤は患者4人に看護師1人以上、夜勤は患者10人に看護師1人以上の配置、1日8時間労働、夜勤交代制勤務の周期が次第に遅い時間帯となる「正循環」で組む、完全週休2日制と諸休日の完全取得、母性保護の視点を重視して生理休暇の完全保障と妊娠者の夜勤免除、在宅を含めたすべての職場で「1人勤務」をなくす、を挙げました。
看護職員の必要数については、病棟・外来・手術室・透析室・訪問看護に分けて提示しました。病棟については、1病棟を40床とし、全国では171万床として試算しました。1病棟当たり49人、全国では約210万人が必要になるとし、100床当たりの看護職員数は1222人と積算しました。
外来については、病院で15対1、診療所で30対1の「看護職員」配置を前提に、小児科、処置や検査の多い耳鼻科・眼科はプラスアルファの配置が必要、救急外来は、10対1の看護職配置かつ救急医療専門医と検査の専門職の配置、交代制勤務かつ夜間の複数看護職配置、を求めています。
手術室については、医療法と診療報酬上で看護職員の配置基準を明確化することを求めた上で、宿日直勤務や拘束・待機制を廃止して交代制勤務とする、臨床工学技士などの必要な専門職の配置、手術時の人員配置は最低3人の看護職を配置、などを求めました。 訪問看護については、夜間待機は月4日に制限、待機明けの休みを保障する、待機時の複数体制、などの必要性を指摘しました。
厚生労働省が公表している需給見通しの最新版は2011~2015年の5年間です。医労連は、提言内容を16年以降の5年間の需給見通しへ反映させることを求めています。

これからの医療制度の改革に大きく影響を及ぼしていくのがそれぞれの看護の存在です。7対1を脱することを決めた病院では、過剰になった看護師を抱えたままでは収入単価が落ち込むにもかかわらず人件費が変わらなければ利益を圧迫していきます。例えば地域包括ケア病棟へのシフトを決めたのであれば、それに沿った人員体制に見なおさなければなりません。また地域医療への拡大を目指すのであれば、訪問看護の人員を用意しなければなりません。大きな流れとしては、7対1を脱した病院であふれた看護師が訪問看護へとシフトしていけば、全体として丸く収まると国は試算しているのかもしれませんが、ヒトを動かすということは、どこかに集まりどこかに不足する偏りが生じることは避けることができない現実だと思われます。ただその一方で特定行為に係る看護師の研修制度の創設があり、看護師に任される領域がこれまで以上に広くなっていきます。そのあたりとのバランスも気になるところです。








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