2014年10月15日水曜日

HD型法人「地域連携型医療法人制度」の名称へ   厚生労働省

厚生労働省が非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称、HD型法人)として検討してきた新型法人制度は今後、「地域連携型医療法人制度(仮称)」の名称で具体化を図る方向となりました。厚生労働省が10月10日、「医療法人の事業展開等に関する検討会」(座長=田中滋・慶応大名誉教授)で新型法人制度創設に向けた論点と併せて提案、委員から反対意見は出ませんでした。






厚生労働省は、新型法人の論点については、事業地域範囲、対象範囲(参加者)、法人ガバナンス(統治)の仕組み、非営利性の確保、業務内容、透明性の確保の6項目に分けて示しました。事業地域範囲については、2次医療圏を基本に新型法人が定めた範囲を都道府県知事が認可する手続きを提案されました。これに対し、今村定臣委員(日本医師会常任理事)は「厚生労働省の他の施策との整合性のためにも『地域医療構想区域』とすべき」と述べられました。一方、長谷川友紀委員(東邦大教授)は、「広く取るべき」と述べられ、2つ以上の都道府県にまたがる場合も想定した検討を求めました。

参加法人については、医療事業を実施する医療法人と社会福祉法人に加え、病院・診療所を開設している個人も対象とすることを提案しました。また、日本赤十宇社や済生会、国立病院機構など複数地域に医療機関を展開している法人や、自治体が開設している医療機関も参加できる仕組みにすることも諭点として示しました。設立母体と新型法人で事業に関する方針が異なる場合に備え、何らかの「調整規定」を設けることの必要性にも触れました。具体的な規定の内容は今後検討していきます。統治では、社団として設立する場合と財団の場合を分けて示しました。議決権では、社団は「1社員1議決権」とし、財団については、社団の定款に当たる「寄付行為」に定める方法で評議員を選び、評議員が理事を選んで構成する案を示しました。参加法人を新型法人が統括する方法については、事業計画や予算などの重要事項に承認を与える強い関与か、勧告程度にとどまる弱い関与かの2つから選択できる仕組みを提案しました。理事長要件をめぐっては、今村委員が「医師・歯科医師を原則とすべき」と主張したほか、新型法人自身が病院等を経営することについても反対する意見を示しました。参加法人への資金貸付や、新型法人による一定条件下での株式会社への出資については、複数の委員から非営利性が損なわれるとの懸念が示されました。


「地域連携型医療法人制度(仮称)」と名称の方向性が挙げられてきたということは、これから議論が進んでいき、新型法人制度の枠組みが固まっていくと思います。ただ、現状の各医療法人の運営形態に沿った延長線上に制度が落ち着くのか、やはり制度ありきで各医療法人等がその形態を変えていかなければならないのか、まだまだ定まっていない事項が多いですが、あまり現状に沿っていない制度であれば、そもそも地域を複数の法人で統括して体制を整えること自体が実現困難な実態となりかねません。各地域の声を全て聞きながらでは前に進まないでしょうが、現状を把握する為のヒアリングはしっかり行なって頂いた上で、進めていっていただきたいものです。








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