2014年10月29日水曜日

医師臨床研修マッチング 結果   厚生労働省

 厚生労働省は10月23日に、平成26年度の医師臨床研修マッチングの結果を発表しました。 医師臨床研修制度は平成16年度に見直され、(1)臨床に携わる医師には2年間の臨床研修の義務化(2)研修は、内科・外科・麻酔科を中心とした複数の診療科で行う(スーパーローテート方式)(3)研修先は、研修医と医療機関の希望をすり合わせて決定する(マッチング)―の3点が導入されています。






 医師臨床研修マッチングとは、臨床研修を受ける医学生等と臨床研修を行う病院(臨床研修病院・大学病院)をお互いの希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)にしたがって、コンピューターにより組合わせを決定するシステムになります。
 平成26年度の医師臨床研修マッチングの募集定員は1万1004人(前年度1万489人)に対し、希望順位登録者数8767人(同8300人)で、研修先の内定者数は8399人(同7979人)となり、内定率95.8%(同96.1%)となりました。

 地域別の状況としては、大都市部の6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)以外の道県の全内定者に占める割合は、前年度より1.2ポイント増えて56.5%と、平成16年度の制度導入以来、過去最大となりました。
 内定者の増加率(前年度比)が高い県は、青森県25.4%増(内定者数89人)、群馬県28.8%増(同103人)、静岡県23.7%増(同209人)、滋賀県27.8%増(同92人)、徳島県26.9%増(同66人)などとなりました。

 内定者の割合は、臨床研修病院が56.3%、大学病院が43.7%となり、臨床研修病院の割合が、前年度比1.5ポイント増加しました。

募集定員は1万1004人に対し、希望順位登録者数8767人で研修先の内定者数は8399人と内定率95.8%という値を高いと見るべきなのか、前年の内定率96.1%より0.3ポイント減少したことに着目するべきなのか、ただ言えることは、全体的に募集人数の医師を確保することが引き続き厳しい状況であるということだと感じます。高度急性期であろうが7対1の維持であろうが、地域包括ケア病棟であろうが、医師が確保できなければ目指すべき体制は整いません。さらにかかりつけ医の総合的診療を行える医師の育成もこの先求められていくと思います。そのような中、医療業界でのパラダイムシフトが無ければ、理想と現実の狭間でもがき続ける医療機関が減少しないどころか増加しかねないと危惧します。ただ、これまで治療することに特化してきた医師が、死との接点において患者とどのように向き合っていけるのか、支えていけるのか、国が掲げる地域包括ケアシステムの制度だけでは、決して成立しない問題が現場で見られるのではないかと思います。








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