2014年10月21日火曜日

医療需要と各医療機関の病床の必要量の推計 厚生労働省 地域ビジョンGL検討会

10月17日の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)では、地域医療構想における将来の医療需要と各医療機関の病床の必要量の推計方法についての議論を開始しました。同日は、都道府県が構想区域を単位として医療需要などを推計する上での考え方をおおむね了承しました。厚生労働省は早ければ10月31日の次回会合で、DPCデータやレセプトデータなどを活用した推計方法に関するたたき台を提示します。






この日の議論で厚生労働省は、2011年6月の社会保障・税一体改革で示した「医療・介護に係る長期推計」について説明しました。長期推計が、各医療機関の将来の患者数や平均在院日数や在宅・外来等への移行を一定の仮定をおいて推計を行っているとした上で、今回の地域医療構想の推計で留意すべき点を提示しました。 具体的には、DPCデータやレセプトデータなどを活用し、各医療機関の将来の患者数については、できる限り患者の状態や診療実態により即した推計、平均在院日数や在宅・外来等への移行については、患者の状態や診療実態を前提にした推計―を行う必要性を示しました。さらに、都道府県間・構想区域間の患者の流出入や地域差の要因分析等を踏まえた推計をどのように行うかも留意点にあげました。 議論では、中川俊男構成員(日本医師会副会長)が、2011年の長期推計について「DPCおよびDPC準備病院が急性期病院の代表と仮定しているが、こうした議論はしていない」と指摘したほか、平均在院日数について2割 、3割短縮などとの仮定の仕方を問題視し、地域医療構想の推計では十分配慮すべきと主張しました。西澤寛俊構成員(全日本病院協会長)は、「平均在院日数が短縮していく仮定では医療従事者の増加が前提になっていたが、実現の方向には動いていない」との見方を示しました。土居丈朗構成員(慶応大教授)は 、2011年の長期推計を「基本的モデル推計として注視していくことはいいのではないか」としたが、DPCデータやレセプトデータなどの数値を手掛かりにアップデートする必要性も指摘 しました。
DPCデータやレセプトデータなどを活用し、各医療機関の将来の患者数とありますが、これはなかなか精度を高めることは困難ではないかと思います。その要因の一つが平均在院日数の変動です。国としては諸外国より平均在院日数が非常に長い我が国の状況から改善すべきだと、効率化が図れるのではないかという見解だと思います。確かにその値を単純比較だけすればそのようにとられます。しかし、退院後の医療の提供体制はどうなのでしょうか。今の日本の在宅医療はそこまで進んでいるのでしょうか。そこに対する改善を大きく行なわない限り、平均在院日数だけを指標として患者が在宅へ帰らされては、本末転倒ではないでしょうか。平均在院日数が長いことが日本の医療費を膨らましている要因となっていることは否めません。地域包括ケアシステムの構築はその意味では非常に意義のある取組みだと感じます。しかし、目先の数字だけで達成度を測ってしまうと歪みが生じます。またその歪みは、弱者である患者にしわ寄せがいきます。医療に携わる医師を大幅に増やすことは簡単ではないと思います。一つのキーは、介護の力に期待が寄せられているのも否定できない事実でしょう。








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