兵庫県は9~10月、統合再編の検討懇話会(仮称)を設け、県民の意見を募った上で、12月に基本計画を取りまとめる方向で進めています。両病院の協議が順調に進んだため、開設時期を当初よりも2年前倒しする予定です。開設に伴い、地域の医療を約80年間支えてきた赤十字は廃止となる予定です。両病院の医師や職員らは新病院などで勤務できるよう検討していきます。
本年度の両病院の稼働病床数は計285床で、新病院は約300床を用意する予定です。建設費は200億円程度を見込んでいます。
現在、柏原病院は急性期を含む3次救急に準じる機能を担い、赤十字は回復期を中心に在宅医療や健康診断事業などを提供してきました。新病院は医療の機能を維持しつつ、健診などのサービスは新病院の隣に整備する保健福祉施設が担います。保健福祉施設は、兵庫県が丹波市と協議した上で、丹波市が中心になってサービス内容を検討していきます。
一方、慢性的な医師の地域偏在と診療科偏在の解消に向け、総合的で実践的な医療が学べる拠点をつくり、地域医療を目指す医学生や若手医師の育成に力を入れていきます。兵庫県が2015年度に丹波市へ移管する「県立柏原看護専門学校」は施設の老朽化もあり、新病院に隣接して整備する方向で同市と検討を進めていきます。
井戸敏三知事は9月8日の会見で「統合で病院の総合力を増すことにより、医師の確保につなげたい」と話されました。
県立柏原病院と柏原赤十字病院を統合し、平成30年度をめどに市内に新病院を建設すると発表しました。慢性的な赤字体質から脱却し、医師の養成機能も持ち合わせ、医師の確保も狙います。公立病院と日赤が設置する病院の統合は全国初です。
兵庫県によると、両病院は新病院の開業まで診療を継続し、施設や跡地は売却を検討していきます。計約470床の病床を、実情に合わせて約300床程度にまで削減し、赤十字の職員は県が受け入れる方針です。
両病院は直線距離で約1キロと近く、主な建物は昭和50年代に建てられ、老朽化が進んでいます。さらに25年度には、計8億6千万円以上の赤字を計上し、ともに15年以上連続で赤字決算が続いている厳しい状況です。このため、兵庫県が設置した有識者による検討会の提言などを踏まえて、統合が決まりました。兵庫県は10月までに「統合再編検討懇話会(仮称)」を設置予定です。新病院の診療機能や整備場所について丹波市や地元医師会、住民らの意見を参考に、年内に基本計画をまとめる方針です。
井戸敏三知事は9月8日の会見で「両病院は医療で競合する部分が少なく、持ち味を生かした統合を期待しています。統合で病院の総合力が増せば、医師の確保にもつながる」と話されました。
これから地方の経営状態の厳しい病院の動向は激しくなってくることが予想されます。国は非営利法人ホールディングカンパニー制の導入を進めていこうとしておりますが、まさに追い風になると考えられます。ただ、支障のない融合はなかなか難しいのではないかと机上の空論に警鐘を鳴らしたい思いです。
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