2014年10月20日月曜日

高度急性期病院を目指し 仙台市立病院 移転

国が進める医療制度改革が、移転後の仙台市立病院を待ち受けます。開院以来、かかりつけ医の顔を併せ持った「市民の病院」は転機を迎えることになります。新病院で9月、2度にわたり外来患者対応のリハーサルが行われました。小児科を除き、原則、地域の診療所からの紹介状や予約を必要とする外来の一通りの流れを確認しました。高齢人口がピークとなる2025年に向け厚生労働省は、一般病床を「高度急性期」から「慢性期」までの4機能に分類した上で、診療所も含めて相互補完する地域完結型医療の推進を打ち出します。仙台市立病院は、重症重篤な患者を受ける3次救急医療を担う立場から、高度急性期病院を目指します。遠藤一靖病院事業管理者(70)は「医師の陣容や地域での役割を考えると救急、重症患者の治療を軸とする立ち位置を鮮明にするほかない」と説明されました。紹介制外来を昨年始めたのも、国の動きをにらんでのことでした。






 現在、一般病床で最も診療報酬加算が優遇されるのが、入院患者7人に看護師1人を配置する「7対1」と呼ばれる病床です。仙台市立病院は計493床と全体の9割超を占め、経営を下支えしてきました。ただ全国に7対1病床は約36万あり過剰気味と国は判断しており、2025年までに高度急性期の病床として18万に絞り込む方針を打ち出しております。8832床ある宮城県内も影響は避けられないと考えられます。
 高度急性期病院として残るには、厳格化される入院患者の重症度や平均在院日数の水準に適応する必要があります。仙台市立病院の試算では残れなかった場合、年間で約2億6000万円の減収となります。移転後には、新病院の整備費の支払いも加わります。遠藤管理者は「収入面での制約やブランド力の低下で、優秀な医療スタッフや紹介患者を確保できなくなる恐れもある」と影響を懸念しています。「かかりつけ医との役割分担について市民の理解を得ながら、国の制度に合うよう病院機能を高めていく」と力を込めています。2015年度には県主体で、必要とされる機能別の病床数などを定める地域医療構想づくりが始まります。仙台市医師会の永井幸夫会長(65)は「地域の医療機関とうまく連携していかないと、大病院でも生き残れない厳しい時代に入ってきました。仙台市立病院は救急を軸に置いた地域の医療拠点として、仙台市民の期待に応えていってほしい」とエールを送っております。
 34年ぶりの移転という山を登った仙台市立病院の先に、大きな山が控えています。

病床機能を都道府県に報告し、それを基に都道府県は地域医療ビジョンを描くわけですが、先日、厚生労働省から新基金の割り振り額が内示されました。それにより、これから各都道府県はどのように構想を練って固めていくのか、それにより多くの病院は良くも悪くも病院運営に影響を及ぼすことでしょう。ただ、二次医療圏単位では整わない事柄も予測されており、どのように描かれていくのでしょうか。








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