現在、一般病床で最も診療報酬加算が優遇されるのが、入院患者7人に看護師1人を配置する「7対1」と呼ばれる病床です。仙台市立病院は計493床と全体の9割超を占め、経営を下支えしてきました。ただ全国に7対1病床は約36万あり過剰気味と国は判断しており、2025年までに高度急性期の病床として18万に絞り込む方針を打ち出しております。8832床ある宮城県内も影響は避けられないと考えられます。
高度急性期病院として残るには、厳格化される入院患者の重症度や平均在院日数の水準に適応する必要があります。仙台市立病院の試算では残れなかった場合、年間で約2億6000万円の減収となります。移転後には、新病院の整備費の支払いも加わります。遠藤管理者は「収入面での制約やブランド力の低下で、優秀な医療スタッフや紹介患者を確保できなくなる恐れもある」と影響を懸念しています。「かかりつけ医との役割分担について市民の理解を得ながら、国の制度に合うよう病院機能を高めていく」と力を込めています。2015年度には県主体で、必要とされる機能別の病床数などを定める地域医療構想づくりが始まります。仙台市医師会の永井幸夫会長(65)は「地域の医療機関とうまく連携していかないと、大病院でも生き残れない厳しい時代に入ってきました。仙台市立病院は救急を軸に置いた地域の医療拠点として、仙台市民の期待に応えていってほしい」とエールを送っております。
34年ぶりの移転という山を登った仙台市立病院の先に、大きな山が控えています。
病床機能を都道府県に報告し、それを基に都道府県は地域医療ビジョンを描くわけですが、先日、厚生労働省から新基金の割り振り額が内示されました。それにより、これから各都道府県はどのように構想を練って固めていくのか、それにより多くの病院は良くも悪くも病院運営に影響を及ぼすことでしょう。ただ、二次医療圏単位では整わない事柄も予測されており、どのように描かれていくのでしょうか。
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