2014年10月30日木曜日

専門医制度 総合診療専門医の養成   全国医師会勤務医部会連絡 協議会

日本医師会の横倉義武会長は10月25日、横浜市内で開かれた全国医師会勤務医部会連絡協議会で講演し、2017年度から研修が始まる予定の新たな専門医制度における総合診療専門医の養成について、国民にとって安心・安全な医療提供体制の構築を目標にすべきとの考えを示されました。






横倉義武会長は、総合診療専門医が必要と考えられる分野として、人口減少地域で医師1人が多くの診療科を担わなければならないケース、病院などで特定の機器や疾患に限定することなく幅広い視野で患者を診る医師が必要なケースの2つを挙げました。
一方、総合診療専門医の定義は、議論の途上にあると指摘されました。総合診療専門医が議論される背景としては、①複数の疾病を持つ高齢者への対応②人口減少地域での医療提供体制の確立③専門化・細分化され過ぎた、主として病院での医療提供体制への対応④若手医師のキャリア形成、の4点を挙げました。その上で「国民のニーズも勘案した医療提供体制を構築する視点で議論を進めるべき」と強調されました。
横倉義武会長は新たに始まる専門医制度全体についても言及されました。 「自分の専門領域以外は診ないという医師をつくらないということが重要だ」と述べられました。専門医制度により、医学や医療が進歩し、公衆衛生も向上し、国民の健康な生活の確保や安全・安心な医療提供体制の構築に大きく寄与するという利点がある一方、弊害もあるとの懸念を表明されました。考えられる弊害としては、専門医資格を過度に細分化することで地域における医療需要との整合性が取れなくなることや、フリーアクセスを制限する可能性を指摘されました。

地域包括ケアシステムの構築において、総合診療医の存在は不可欠です。ただ、懸念されているように、専門性を細分化し追求するあまり、整合性がとれなくなるというのは本末転倒だと思いますが、十分に考えられる弊害リスクとして潜んでいます。専門に特化し自分の医療技術を高めたいというのは多くの医師の潜在的な意思だと考えられます。しかも医学や医療は著しく進歩し複雑化している中、一人の医師で高いスキルを身につけるには専門性を高めなければ難しく、総合診療医の存在と相反する危険性もあります。しっかり医療の現場を見据えたうえでの方針を打ち出さなければ、空中分解を避けることができないのではないかと危惧致します。








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