2014年7月25日金曜日

医療・介護消費量、3割減が理想値

国際医療福祉大の高橋泰教授は7月17日、国際モダンホスピタルショウ2014の病院経営フォーラム「これからの医療制度と病院のあり方」で講演し、後期高齢者1人当たりが自立状態から死亡に至るまでの期間に消費する医療・介護資源量を、人生の満足度を下げずに現在の3分の2程度に減らす対策が必要ですと訴えられました。
高橋泰教授は、2025年に日本全体の後期高齢者数は10年との比較で1.6倍に増加すると指摘した上で、後期高齢者1人当たりの医療・介護資源の消費量が3分の2になれば「1.6× 2/3」の計算でほぼ「1」となり、現在のインフラで何とか対応できると説明されました。 「いきなり『この人の医療・介護資源消費量を3分の1減らしてくれ』と言っても難しいので、タイプに分けてどこの段階でどうするとどれくらい省エネ効果があって、ハピネスにどれだけ影響があるかを示さないといけない」と述べられ、2~3年以内にモデルケースを提示する作業を進めていると説明されました。






さらに、医療・介護の過剰な介入は、死亡までの要介護期間を増やすとの考えも示されました。例として、医療福祉サービスの提供量が多い熊本県相良村と、医療福祉サービスが非常に少なく限界集落の状態にある愛媛県大三島を5年以上追跡調査し「老い方」について2つの地域を比較した結果を提示されました。医療福祉サービスの提供量が多い相良村では「自立から虚弱」「虚弱が虚弱のまま」「要介護状態の人が要介護状態のまま」の確率が高かった 一方で、医療福祉サービスが非常に少ない大三島では「自立の人が自立のまま」 「虚弱の人が自立に戻る」「自立の人が短期間で死亡」「虚弱の人が短期間で死亡」の確率が高かったと結果を提示されました。
高橋泰教授は「マクロで見ると、医療介護の過剰な介入によって、虚弱、要介護の期間が増えます。うまく減らすことを考えなければならない」と述べられ、「医療・介護に頼り過ぎない生活を目指せば、皆さんの望むピンピンコロリ型の老い方が実現できる可能性があります」と強調されました。

この高橋泰教授の調査報告とモデルケースの発言は真摯に受け止めて、これからの医療と介護の体制づくりについて再考しなければならないと感じました。確かにこのままでは日本の社会保障は崩壊せざるをえないでしょう。崩壊させないために様々な政策が国から出てきますが、国民の意識改革を並行して行なわなければ実現不可能だということです。医療も介護もサービスです。基本的にこれで充分・足りていると感じにくいモノで、逆に過剰に求めてしまう青天井なモノです。それも自分を育ててくれた親に対しての介護となれば、これで充分なんて考えにくく、少しでも手厚くと考えるのは自然だと思います。終末期医療について、個人の死生観をどのように尊重するべきか、これらはもう政策でも制度でもありません。麻生副総理ではありませんが、あくまでの個人の人生観みたいなものです。その真意をうまく聞き出した梅村議員も素晴らしいですが、やはり医療の現場では、その死生観についてどのようにしていくべきか考えている人間が多いです。ピンピンコロリでいいんです。と私は考えています。多くの方も同じではないでしょうか。その思いが叶えられるような社会保障が目指すべき姿ではないでしょうか。






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