2014年7月14日月曜日

協会けんぽ、収入超過も「赤字財政」

全国健康保険協会(協会けんぽ)は7月10日、2013年度の決算見込みを発表しました。収入は8兆7291億円(前年度比2.5%増)、支出は8兆5425億円(前年度比4.1%増)で、1866億円の収入超過となりました。この日に開いた記者会見で、協会けんぽの小林剛理事長は「直近の財政状況は以前より回復していますが、保険財政は依然として赤字財政です」と述べられ、構造的な改善が必要との考えを示されました。

 2013年度の保険料収入が増えた要因は、保険料を負担する被保険者1人当たりの賃金(標準報酬月額)が前年度に比べて866円上昇したことに加え、被保険者数が35万2000人増えたためです。一方、支出が増加したのは、高齢者医療にかかわる拠出金の総額が3兆4886億円と、2106億円増えたことなどによります。支出に占める拠出金割合は40.8%となり、0.8ポイント上昇しました。

支出では、医療費全体の伸びが低く、1人当たり保険給付費の増加額も例年よ り小幅だったものの、被保険者数の増加もあり、対前年比1192億円増の4兆8980億円(2.5%増)でした。 高齢者医療への拠出金総額は対前年比2106億円増の3兆4886億円(6.4%)と伸び続けています。収支差は前年度比で1238億円減少しました。







 会見で小林理事長は、協会けんぽの財政は回復傾向にあるとしながらも、「医療費(1人当たり保険給付費)の伸びが賃金(1人当たり標準報酬月額)の伸びを上回っており、協会が抱える構造的な赤字財政は依然として解決していません。」と述べられました。

 また、他の被用者保険との保険料負担の格差にも言及されました。収入の低い加入者が多い協会けんぽが、健康保険組合や共済組合よりも保険料率が高い現状を指摘し、「収入が低い方が高い保険料を負担するという逆進的な状況は、社会保障制度の在り方として疑問を抱かざるを得ない状況です」として、改善が必要との考えを示しました。

収入が低い方が高い保険料を負担している状況を改善するためには、税金を投入して国が補てんする策が真っ先に挙がりますが、はたしてそれが最善の策でしょうか。
たしかに日本の皆保険制度を維持するためには協会けんぽの存在というのは非常に大きな役割を担っていますし、協会けんぽが破たんすれば皆保険制度は崩壊する危険性があります。
混合診療が解禁され、保険外の診療が増加すれば協会けんぽが負担している医療費が抑制されるかといえば、おそらくそこには大きな力は働かないと思います。混合診療(患者申出療養)を行なっていくのは裕福な階層の方々です。一般市民の方々にとっては、別世界といっても過言ではないかもしれません。(アメリカから民間の医療保険が舶来すれば、また状況は大きく変わるかもしれませんが、その話はまた別で)協会けんぽの運営を健全に保つためには、収入を増やすor支出を減らすかです。協会けんぽの運営を第一に考えるのか、加入者の負担額を第一に考えるのか、国民の医療を守るためにはどうするべきでしょうか。






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