2014年7月11日金曜日

紹介状なく大病院 初診時3000~1万円に

厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院に来る患者が窓口で払う負担額を通常より高くする方針です。全員に約3千円~1万円の定額負担を課す案が有力となっております。これは、大病院に軽症の人が集まるのを防ぎ、大病院が救急など本来の役割に専念できるようにする狙いです。初診時だけでなく再診時にも負担を求める方向です。2016年4月の診療報酬改定に合わせ、16年度の導入を目指しています。

 7月7日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で議論を始めました。年末までに中身を詰め、15年の通常国会に関連法案を提出する見通しです。
 ベッド数200床以上の大病院は全国に約2600あります。現在も大病院は紹介状を持たずに来た患者から特別料金を徴収できますが、徴収するかどうかは任意で、実際に取っている病院は約1200と半分足らずが現状です。残る約1400の病院では紹介状を持たない患者も通常の初診料(3割負担の人は846円、1割負担の人は282円)を払うこととなっております。
 風邪など軽症の患者の診療に医師や看護師が忙殺されると、救急や重篤な患者の診療が手薄になりがちです。この弊害をなくすため、紹介状を持たずに大病院に来た患者には必ず一定の負担を求めるようにします。







 定額負担は3つの案があります。当初、浮上したのは、初診時に1万円、再診時に5千円の特別料金を払う(1)案で、日本医師会はこの案を支持しています。(2)案は初診時5千円、再診時2500円の特別料金です。(3)案は通常、患者が1~3割だけ負担する初診料(2820円)と再診料(720円)を全額、患者負担とする案です。現在、厚生労働省は(1)案、(2)案と比べ患者の負担増が緩やかなこの案を有力と見ています。
 紹介状なしで大病院にかかる負担が重くなれば、念のためといった理由で大病院に行く人は減り、近所の診療所を受診するようになるのではないか。過剰受診を減らし、医療費の増加を抑える効果があると考えられています。そうなれば大病院は救急患者や、かかりつけ医から紹介される重篤な患者への高度な診療に専念しやすくなります。
 患者が新たに大病院で払う定額負担を公的保険で賄う医療費の財源に回すか、大病院の収入とするかは今後、検討するとされています。
 厚労省は7月7日の医療保険部会で、入院中の食事代を現行の1食260円から460円に上げる案を軸に入院患者の負担を増やす案も示しました。患者負担を除いた医療給付費は2013年度の36兆円から25年度には54兆円と1.5倍に増える見込みになります。

患者にとっては、負担が増える案ばかりが国の方で進められています。確かに社会保障費の増長というのは今の日本の財政にとって深刻な課題です。国の負担を減らすには、他の負担を増やすことが一番やりやすいことです。患者の負担を増やすことです。国は負担を増やすというような言い方をすると、国民を反感を強く買ってしまうので、適正化などという言葉を使いますが、内容は同じです。もちろん病院を運営している医療法人に対しても厳しい要件を続けて練ってきており、淘汰・合併・併合が進むことも予想されています。スウェーデンなどの社会保障が進んでいる国になることが必ずしも良いとは言えませんが、ただこれから進む超高齢化社会において安心した生活を送ることができる社会を目指してもらいたいものです。






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