2014年7月29日火曜日

実夫の精子で人工授精  諏訪マタニティークリニック

 不妊治療を行っている長野県の「諏訪マタニティークリニック」(根津八紘(ねつ・やひろ)院長)で1996年から2013年に、79組の夫婦で妻が夫の実父(妻の義父)から精子提供を受けて体外受精により計118人の赤ちゃんが誕生したことが7月27日に分かりました。妻が義父から精子提供を受けた夫婦は110組でありました。
 匿名の第三者からの提供精子による非配偶者間人工授精(AID)は60年以上前から行われていますが、匿名が前提です。近親者から精子の提供を受ける不妊治療には「家族関係が複雑になる」などの指摘があります。





 東京都内で開かれる日本受精着床学会で根津院長が7月31日に発表される予定です。根津院長によると、夫の無精子症などを理由に計146組の夫婦が近親者から精子の提供を受けました。内訳は夫の実父が110組、夫の兄弟が28組、その他が8組でした。夫の実父やその妻の理解を得られやすいこともあり、最近は夫の実父からの提供を望む人が多いといいます。
 夫の実父から提供を受けた110組のうち86%に当たる95組が妊娠し、72%に当たる79組が出産に至りました。同様の方法で2回目の出産をしたケースが17組で、3~4回目の出産に至ったケースもありました。双子や三つ子が生まれたかどうかは公表されていません。
 日本産科婦人科学会は、匿名の第三者から精子の提供を受けて妻の子宮に入れる人工授精と、夫婦間の体外受精を認めているが、それ以外については言及していません。
 近親者からの精子や卵子の提供は過去に日本産科婦人科学会で「家族関係や人間関係が複雑になり、子どもの福祉の観点から将来予期しない事態が起こりうる」と指摘がされていました。

 不妊治療については、女性の社会進出による晩婚化と高齢出産も関係しているのか、増加傾向にあります。少子高齢化が騒がれているこのご時世にとっていかに出生率を高めるかは国の施策でもありますが、ただ倫理的な部分を置き去りにしてはならないと思います。
これまで精子の提供による人工授精は匿名の第三者からと日本産科婦人科学会はしてきていましたが、それは産まれてきた子どもの家族関係や人間関係の複雑さを考慮しての考えです。妻や実夫は産まれてきた子どもにいつかのタイミングで事実を伝えるのでしょうか。伝えることが是でしょうか。各々の生活環境等の違いもありますので一概に是とも非とも決めることはできないのではないでしょうか。将来予期しない事態が起こりうるとのことですが、人工授精であろうとなかろうと親が愛を持って子どもに接して育てていくことが何よりも重要で、それさえあれば問題はないのではないでしょうか。最近はその愛が欠落した親が多いことが多くのニュースでにぎやかされているのではないかと感じるところです。








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