2014年7月11日金曜日

看護師の労働環境 3交代の夜勤、月9回以上34.2%  島根県が初の実態調査

島根県は、看護師の離職防止や定着対策のための基礎データを得る目的で、島根県内の全53病院を対象に夜勤の実態調査を初めて実施しました。3交代制勤務で夜勤回数が月9回以上の看護師が34.2%を占めるなど、日本看護協会が策定した「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」の基準以上に働いている看護師が依然として多い現状が明らかになりました。

 調査対象期間は2013年11月からの1か月間。島根県内の全53病院を対象にアンケート調査を実施し、すべての病院から回答を得ました。夜勤の形態別で見ると、3交代のみが19病院、2交代のみが20病院、3交代と2交代の混合が14病院でした。

 調査の結果、日看協のガイドラインと同様の基準を有しているかを比較したところ、「夜勤後の休息は2回連続夜勤後には48時間以上を確保している」と答えた病院が7.5%で最も少なく、「交代の方向を正循環(3交代制で「日勤」→「準夜勤」→「深夜勤」のように勤務の開始時刻を遅くしていく勤務編成)としている」も10.5%と少ない現状でした。







 また、「夜勤の回数(3交代では8回以内、それ以外の交代制勤務は労働時間に応じた時間数)」については、3交代制勤務者2639人の平均夜勤回数は7.6回で、ガイドラインの基準を超える9回以上の夜勤を行っていた看護師は903人(34.2%)でした。2交代制勤務者1423人の平均夜勤回数は4.2回でした。

 一方、「休憩時間は夜勤の途中で1時間以上」(84.9%)、「連続勤務日数は5日以内」(67.9%)、「夜勤の連続回数は2回まで」(64.2%)は、いずれも半数以上の病院で基準を満たしていました。

 島根県の担当者は、「今回の結果を踏まえ、まずは各病院に、なぜ基準を満たせないのか、何か対応法はないのかなど、聞き取りをして回ろうと考えています」と話しています。

看護師の労働環境の悪態は島根県に限ったことではなく、多くの病院で厳しい環境下で労働している看護師が多くいます。もちろん厳しい環境で働いているのは看護師だけでなく、医師もそうですしコメディカルスタッフでも厳しい環境での労働を余儀なくさせられている勤務者が多いのが実情です。

医療の複雑多様化、提供サービスの深耕化などにより看護師にかかる負担が大きくなっているとこは事実です。マンパワーで解決困難なレベルに達しているところも多いのですが、それに対する改善が組織的でないために、根本的な問題解決に至っていないことが多いのではないでしょうか。

病院の改築や修繕、新型の医療機器の設備投資などで大きな投資を必要とする事業でありながら、営利目的では無いのが医療の世界です。ただ安定して事業を継続していくことがもっとも求められていることであると再認識し、看護師をはじめとした職員への労働環境・待遇についてしっかりと整備することも重要だと実感致します。






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