2014年7月30日水曜日

使用済み注射針で乳児5人にBCG予防接種    千葉県東金市

千葉県東金市が実施した結核を予防するBCG予防接種で、1歳未満の乳児5人に使用済みの注射針を使っていたことが7月24日までに分かりました。市非常勤職員の看護師が使用済みの注射針の廃棄場所を、医師に伝えなかったため、未使用の注射針を置くトレーに戻し、交代した別の医師が気付かずに再使用したといいます。東金市は「感染性廃棄物を入れる容器にバイオハザードマークを付けていませんでした。今後、廃棄方法などを見直し、誤接種の防止に努めます」としています。

 東金市によると、7月17日に東金市保健福祉センターで実施したBCG予防接種で、16人の対象者のうち、最初に担当した医師が5人に接種しました。この時に使った注射針を、廃棄物を入れる容器に捨てず、近くにあったトレーに置きました。交代した医師がトレーにあった注射針を未使用品と思い込んで再使用しました。全員の接種終了後、未使用の注射針が5本残っていたため、誤接種が判明しました。






 東金市の担当者は「看護師が接種を行う医師に対し、使用済みの注射針を捨てる場所を伝えなかったことが誤接種の一因である」と説明されました。感染性廃棄物の使用済みの注射針などは、バイオハザードマークが付いた容器に捨てるなどの厳重な管理が求められていますが、東金市が用意した容器には、こうしたマークが付けられておらず、医師もすぐ近くにあった容器に気付かなかったといいます。

 使用済みの注射針が使われた5人を特定できなかったため、東金市は誤接種が疑われる11人の保護者らに、経緯を説明して謝罪しました。今後、11人の経過観察や血液検査を行う予定です。東金市は「最初に担当した医師が接種した5人に血液検査を行ったが、異常はありませんでした」とし、誤接種者の血液感染のリスクは、ほとんどないとの認識を示しています。

 東金市は誤接種を防ぐため、予防接種マニュアルの拡充、担当する医師に対する事前説明の徹底、感染性廃棄物の取り扱い方法の見直し―などに取り組む方針です。


このような事故は、事故発生後に第三者が客観的に見るとリスク管理ができていないことに気づきます。しかし、ルーティンで業務を行なっている当事者にとっては、昨日行なった手法が正しい手法で、疑問を持たずに業務を行なってしまっているということが、どこの現場でもあります。医療の現場はどこも決して楽ではなく忙しくて、常に危険と背中合わせです。ちょっとした気の緩みが大事故につながることもあります。今回の事故では、看護師が医師に対し説明不足だったことが原因だったとされていますが、おそらく事故の本質はそこではなく、もっと深い根底に問題があったと思います。そこを修正しない限り、また良く似た事故が起こるリスクを常に抱えていかなければなりません。






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