2014年7月15日火曜日

疑義解釈資料の送付(その8)について 厚生労働省

厚生労働省は7月10日に、疑義解釈資料の送付(その8)について事務連絡を行いました。


 今回は、「入院基本料等」「入院基本料等加算」「短期滞在手術等基本料」「地域包括診療料等」「暦月で3ヵ月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」「DPC」「療養担当規則関係」などについてQ&Aを掲載しています。

 まず「入院基本料等」について見てみますと、平成26年度改定では【特定集中治療室管理料】について、『重症度、医療・看護必要度』の見直しが行われました。
 具体的には、これまで「特定集中治療室用の『重症度、医療・看護必要度』で評価し、A項目3点以上またはB項目3点以上である患者が9割以上」などとなっていたところが、「A項目3点以上かつB項目3点以上である患者が8割以上」などという具合に見直されました。
 ここで、当該病室(ICU)において、【特定集中治療室管理料】ではなく【7対1入院基本料】を算定する場合には、『重症度、医療・看護必要度』について、特定集中治療室用・一般病棟用のいずれを用いて評価を行えばよいかが気になります。





 この点について、厚生労働省は「特定集中治療室に入院する患者については、特定集中治療室用の『重症度、医療・看護必要度』で評価を行い、また該当患者割合の計算式に含めなければならない」ことを確認しています。

 また、一般病棟用の『重症度、医療・看護必要度』における「抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用」には、ワンショットで行うような静脈内注射は含めず、点滴を行うことが必要である点が明確にされました。
地域包括診療料
 なお、短期滞在手術等基本料を算定する患者については、7対1入院基本料の『重症度、医療・看護必要度』の該当患者計算に含めないことも確認されています。


 次に、新設された【地域包括診療料】【地域包括診療加算】を算定するためには、「慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師の配置」が必要となります。
 この研修について厚生労働省は、「高血圧症、糖尿病、脂質異常症および認知症を含む複数の慢性疾患の指導に係る研修」であり、具体的には「服薬管理、健康相談、介護保険、禁煙指導、在宅医療等の主治医機能に関する内容が適切に含まれ、継続的に2年間で通算20時間以上の研修」であることを明らかにしています。
 「継続的に」とは2年毎に、上記内容の研修を20時間以上受けることを意味します。
 なお、e-ラーニングによる研修の受講は原則として認められません(ただし、日本医師会生涯教育制度に係る研修においては、認知能障害・高血圧症・脂質異常症・糖尿病以外の項目についてはe-ラーニングによる受講でも可としています)。


 さらに平成26年度改定では、『療養担当規則』等において「経済上の利益を提供することなどによって、患者が自己の保険医療機関で診療を受けるように誘引してはならない」旨が明確にされました。
 ここでは、(1)保険医療機関等が、事業者等に対して患者紹介の対価として経済上の利益の提供を行うこと、(2)(1)によって患者が自己の保険医療機関等で診療等を受けるよう誘引すること―のいずれにも該当する場合は「禁止行為」と判断されます。

 (1)については、「患者紹介の対価」として「経済上の利益」が提供されているか否かが重要です。
 「患者紹介」には、保険医療機関等に患者の情報を伝え、患者への接触の機会を与えることや、患者の申出に応じて保険医療機関等と患者を引合わせることなども含まれます。
 「経済上の利益」は、金銭、物品、便益、労務、饗応等をさし、商品・労務を通常よりも安く購入できる利益も含まれます。

 また、「訪問診療の広報業務」「施設との連絡・調整業務」などの委託料に「経済上の利益」が上乗せされる場合なども考えられ、実質的に判断されます。
 この点、厚生労働省は「集合住宅・施設に入る保険医療機関等を決定・制限することができる者が、保険医療機関等に対して診療等に必ずしも必要ではない業務委託・貸借を条件として求めている」場合は、「患者紹介の対価として委託料・貸借料が支払われている蓋然性が高いと考えられる」と説明しています。

 さらに、(1)の「患者紹介」を受けて当該患者の診療等を行っている場合には、「基本的に(2)に該当する」と判断されます。

集合住宅等に入居する患者を紹介してもらい、患者紹介料を支払って訪問診療などを行っているような不適切事例をなくすための基準が明確化されました。また、集合住宅の入居要件として、併設診療所による訪間診療を受けることを入居者に求め、一律に訪問診療を行うことは 「あってはならない」としました。
サ高住が全国的に補助金のおかげで建設が続いておりますが、高齢者の生活の場所を維持することが重要ではありますが、その流れに便乗し悪用した一部の悪徳業者の影響で、まじめに訪問診療を行なってきた診療所等に大きな影響を及ぼしたことも事実です。確かに制度化しルールで締めることも効果があり必要かもしれませんが、医療人が心を失ってしまっていることに対する対策を講じることが重要かと感じます。






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