2014年7月3日木曜日

医師常駐マンションで介護放棄か ドクターズマンション天六苑

「医師や看護師が常駐」と掲げていた大阪市北区の高齢者向け賃貸マンションの元入居者の男女5人が、マンション側から介護放棄されたなどとして、マンション経営会社や併設の医療法人などを相手に計約3千万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしました。
 訴状などによると、マンションは診療所や訪問介護事業所を併設する「ドクターズマンション天六苑」です。要介護認定を受けた原則65歳以上の高齢者が入居対象で、2007年6月に開設しました。5人は60~90代で生活保護を受けていました。
 5人は60~90代の男性1人と女性4人。いずれも要介護度4~5の寝たきり状態で、十分な意思疎通ができず、認知症を発症している高齢者もいました。事業所が提供するはずだった入浴や胃ろうチューブの交換などの介護をほとんど受けられず、全身の汚れや床ずれ、医療用チューブや尿バッグの衛生不良が認められ、脱水症状や腎炎などを起こしていたといいます。また5人の銀行口座から賃料や共益費以外に計約1800万円が引き出されて使途不明になっているといい、慰謝料や預金の返還として計約3千万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴しています。








 天六苑をめぐっては、大阪市が関係者の通報を受けて2013年2月に高齢者虐待防止法に基づく立ち入り調査を実施しました。原告4人を含む当時の入居者9人が介護放棄されていたとして、入居者12人全員を病院や特別養護老人ホームに保護しました。大阪市はその後に元入居者への聞き取り調査を行い、9人への虐待があったと認定していました。6月30日に記者会見した成年後見人も務める原告代理人は「判断能力が著しく低下した高齢者を囲い込み、不法に財産を奪った」と訴えています。
経営者側は「運営に問題はなく、不法に預金を引き出したこともない」とコメントしております。大阪市によると、同マンションは現在、休業状態だといいます。


天六苑は総戸数 30戸で、居室面積は12.00㎡~45.00㎡。
居室は 洗濯置場、洗面化粧台、介護ベッド、エアコン、収納、キッチン、電磁調理器具、冷蔵庫、ナースコール、一般浴室、TVアンテナ端子、フローリングが完備されており、共有エリアには、 防災設備、避難設備、エレベーター、介護浴室、トレーニングルーム、カラオケルーム、食堂がありました。
 1階の併設診療所は医療法人一心会の野中診療所です。院長は野中莞一で、脳神経外科で有名な医療法人寿会 富永病院の系列であった富永記念病院で院長までされておりました。野中診療所内には一般撮影装置だけでなくCTも装備されています。
これらを見ると、とても狭く窮屈な施設が多い中、充実している施設だと思います。事業開始時は、しっかりしたスタンスで始められたのだと思います。本当に寝たきりの高齢者を拘束する目的で始めたのなら、高規格すぎます。おそらく何かのボタンが掛け違って、ズレて行ってしまったのでしょう。しかし、人命を預かる現場でホスピタル精神を欠落させることは許されざることです。ただ元入居者の家族の発言もどうかと感じるところは大いにありますが、親の介護に対する本質的な品質の欠如については、また別の段で述べたいと思います。







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