2014年7月16日水曜日

健康・医療戦略参与会合 について

 政府は7月10日に、「健康・医療戦略参与会合」を開催しました。

 本会合は、「健康・医療に関する成長戦略および医療分野の研究開発に関する施策に係る重要事項の調査・検討を行う」ことを目的に設置されたもので、菅健康・医療戦略担当大臣(官房長官)を座長に据え、医療・医学・医薬品・医療機器の専門家で構成されています。






 この日は、今後の我が国の健康・医療関連予算を効果的・効率的に配分するための『健康・医療戦略(案)』や『医療分野研究開発推進計画(案)』について、政府から報告を受けました。

 『健康・医療戦略』は、健康・医療に係る(1)研究開発の推進(2)研究開発の環境整備(3)研究開発の公正かつ適正な実施の確保(4)研究開発成果の実用化のための審査体制の整備等(5)新産業の創出および海外展開の促進(6)教育の振興等(7)人材の確保等―について、基本的政策の方向性を定めています。

 具体的には、「今後10年程度を視野に入れた平成26年度からの5年間」を対象として、次の4本柱を進めることを目指しています。
(i)世界最高水準の医療提供に資する医療分野の研究開発等
(ii)健康・医療に関する新産業創出および国際展開の促進等
(iii)健康・医療に関する先端的研究開発および新産業創出に関する教育の振興・人材の確保等
(iv)世界最先端の医療の実現のための医療・介護・健康に関するデジタル化・ICT化


 このうち(i)では、「日本医療研究開発機構に、国が行う研究の費用等の配分機能等を集約する」「プログラムディレクターのマネジメントの下で、知的財産管理等の研究支援等も含めた、基礎から実用化までの切れ目のない研究支援」「PMDA(医薬品医療機器総合機構)の体制強化、大学等とPMDAとの連携強化によるレギュラトリーサイエンス等の推進」などを行う方針が示されています。
 政府は、2020年(平成32年)頃までに「画期的創薬ターゲットを10件同定する」「5種類以上の革新的医療機器を実用化する」「革新的ながん治療薬の創出に向けた10種類以上の治験への導出」などを達成するとしています。

 また(ii)では、次世代ヘルスケア産業協議会において「現行法規のグレーゾーン解消」「保険者や企業等による健康増進・疾病予防に資する公的保険外サービスの購入・利用促進」「製品・サービスの品質評価の仕組み構築」などを推進し、健康長寿社会の形成に資する産業活動を創出することなどを打出しています。
 ここでは、次のような具体的数値目標(2020年・平成32年頃)も設定しています。
●健康増進・予防、生活支援関連産業の市場規模を4兆円から10兆円に拡大する
●健康・医療分野における官民ファンドと民間からの協調出資がなされた件数の比率を100%にする
●海外における日本の医療拠点を10ヵ所程度創設する
●日本の医療技術・サービスが獲得する海外市場規模を5兆円に拡大する(2030年・平成42年頃)



確かに日本は世界に先立って超高齢化社会に突入して行っておりますので、そこからの医療の役割を上手に世界に発信できれば、成長戦略の大きな柱となりうると思います。ただ、日本はどうしても革新的ではないというか、安全に対する担保を強く求める傾向が他国よりあります。臨床ではどうなのか、文献ではどうなのか、学会での認知や見解はどうなのか、エヴィデンスはどうなのか。確かに人の命に関わる重要なことですので疎かにはできませんが、もっと新たな医薬等に対する門戸の開放がなければ実現は遠い未来だと感じているのは私だけは無いと思います。






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