2014年7月12日土曜日

臨床研究中核病院の要件見直しへ

厚生労働省は、臨床研究中核病院の要件を見直す方向で検討に入ります。現在、大学病院など15機関を指定しているが、日本の臨床研究をより推進するため2015年4月から法的な施設に「格上げ」することに伴い、現在の施設要件をあらためて検証し、細分化する必要があるかどうかを判断します。近く専門家による協議を始め、2015年4月までに省令か通知などで周知する予定となっております。要件次第では、指定される医療機関が増える可能性もあるということです。

臨床研究中核病院 (早期 ・探索的臨床試験拠点含む)は、自らの施設がICH― GCPに準拠 した臨床研究を行うほか、複数病院からなるネットワークの中核として多施設共同臨床研究の企画・立案を行う機能を持ちます。厚労省は、臨床研究中核病院に必要な機能の確保、 ICH― GCP順守、適切な倫理審査ができる一などを基準に、東京大医学部付属病院や京都大医学部付属病院など15機関を公募で指定し、事業費の助成を行ってきました。






これまでは通知の中で定めていたが、「日本として臨床研究を推進し、各種施策との連携を取るには、臨床研究中核病院を法的に規定することが望ましい」 (研究開発振興課)として6月に成立した医療・介護一括法(医療法)の中に盛り込まれました。臨床研究中核病院の「プランド価値」を高めて医療機関側の意欲を高めるとともに患者のアクセス向上を図り、結果的に質の高い医療の提供につながることが期待されています。

法制化を機に厚生労働省は、臨床研究中核病院に臨床研究の計画立案・実施能力や、ほかの医療機関と連携して主導的な役割を担うことを求めた一括法の条文を 「プ レイクダウン (細分化)した形」(研発課)に施設要件を設定し直します。これまでと趣旨は変わらないが、施設の規模、過去の実績、 ICH一 CCP順守の可否、生物統計の専門家の配置―などを基準に、臨床研究でリーダー的役割を果たせる施設の要件をあらためて検討します。厚生労働省は近く専門家による協議を開始する考えで、研発課は「現在よりも具体的な要件を設定するのか、個別に施設の適格性を判断していくのかは、議論の余地があります」と説明しました。一括法施行後は、厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いた上で、臨床研究中核病院を承認していく流れとなる見通しです。

研発課は「現在採択されている15機関は当然 (新たな)要件を満たすものと期待します」とする一方で、「自動的に臨床研究中核病院となるわけではない」として指定済みの機関にも再度応募などを求めていく方針です。また、「他の病院も要件を満たせば採択されます」としており、指定済みの15機関に加え、今後の要件設定によってそのほかの医療機関も指定される可能性を示唆します。

臨床研究中核病院とは、日本再生戦略のもと、「選択と集中」をキーワードに候補となる施設を選定し、重点的な支援を行うことにより、日本発の革新的な医薬品並びに医療機器を創出するための施設にすることを目的としています。特に、国際水準の臨床研究の実施や、医師主導治験でなければ実施困難な難病・稀少疾患・小児疾患等の開発での中心的役割を担うことを期待されています。



臨床研究中核病院がこれから担う役割として、「患者申出療養制度」(仮称)の診療を2016年度から行なっていくことがあります。「患者申出療養制度」(仮称)については、混合診療による日本の皆保険制度の崩壊を危惧し反対していたところも多かったのですが、決まった以上はその方向に則って検討していかなければなりません。

ただ、日本医師会が混合診療に猛反対してきたのは、高度の医療を提供できる病院とそうでない病院との間に格差が生じ、病院の経営が難しくなるという見解からです。そのため、対象をどこまで広げるかが焦点になりました。患者が希望した治療法について、実施の前例のないケースは国が審査することで安全性を担保し、臨床研究中核病院で診療を実施する。副作用の強い薬を複数組み合わせるリスクの高い治療法は、臨床研究中核病院などのある程度の規模と設備が整っている病院に限定する。一時は、混合診療を実施する医療機関が大幅に拡大される見通しも浮上していましたが、最終的には47都道府県の大学病院にとどまり、一般病院の経営にはほとんど影響がないと見られています。



DPCⅠ群・Ⅱ群・Ⅲ群とありますが、DPCⅡ群・Ⅲ群には関係性が薄いようですが、実際はそれらも含めて地域の医療ニーズに対し役割を担っていきますので、国が掲げている高度急性期という枠についても、ほぼ同等の尺で計った線引きになるのではないでしょうか。地域での共存・生き残りについて、強きが栄え、弱きが滅びるのは、どの世界でも統一したルールなのでしょう。






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