2014年7月24日木曜日

空床化加速、地域包括ケア病棟が受け皿に

長野県の松本医療圏の多くの病院が、地域医療構想を見据えて「本当に必要な7対1病床数」の割り出しに取り組み始めています。松本市医師会の高木洋行理事 (病院代表、松本市立病院長)は 、「松本医療圏の7対1病床は確実に減床します。地域での急性期患者の絶対数が増加しない状況で、許可病床数のうち7対1病床として確保すべき病床数は減り、必然的に空床化してしまいます。それが回復期リハビリテーション病棟や、今回の診療報酬改定で導入された地域包括ケア病棟(病床)を届け出る方向に向かわせています」との見方を示しました。


信州大病院や相澤病院などを中核とする松本医療圏は現在、7対1病床が2728床、10対1が428床、13対1が103床、15対1が125床となっています。







高木理事が院長を務める松本市立病院(許可病床215床)は、4月に36床で回復期リハビリ病棟入院料3を届け出ました。高木理事は「近年、特養や老健などの施設が充実し、入院患者が減少傾向で推移しています。市立病院は在宅支援を明確に位置付けていきます」とし、「これまで許可病床数を7対1病床としてきたが、今後は回復期リハビリや地域包括ケア病棟などを増やしていく計画です。その分7対1は確実に減っていきます」と見通しました。ほかの7対1病院でも地域包括ケア病床を届け出た病院が散見されるとし「地域包括ケア病棟・病床は、7対1の受け皿機能として大きな選択肢になっている」と語りました。
一方で、現行の243床を7対1病床として維持していく内科中心の公的病院もあるとし「血液内科など重症度の高い患者を受け入れているだけに、平均在院日数のコントロールに苦慮しているようです」と述べられました。

高木理事は「松本医療圏では、すでに多くの病院が先を見据えて動いています。今回の診療報酬改定は厳しい内容でしたが、本当の意味で病院が病床の在り方を考える契機になっています。地域で不足していた回復期リハビリ病棟の届け出も一つの動きといえます」と述べられ、“急性期一辺倒"の流れから回復期医療へ参加するなど病院自体が変わろうとしていると分析されていました。


過剰に増えた7対1病床に対して、これから国は締め付けを強化していくことは間違いないでしょう。今後、必要度が高まってくるであろう回リハや地域包括ケアに対していち早く取り組んでいくのか、地域の病院の方向性を見つつ決めていくのか、どちらにせよ決断の時は差し迫ってきています。
各都道府県がどのような地域医療ビジョンを描くかといっても、それほど大きな地域差はないと考えられます。どこもこれから超高齢化社会に対応するために2025年に向けて準備をしていかなければなりません。アメリカと違い、民間の病院がここまで地域の医療ニーズに対応してきた歪みとも言えます。大きく方向転換が図れません。しかし、地域医療はどこも充実させなければならないという責任感は強く抱いております。意志を強く特徴を発揮させていくことが、機能分化ということにつながっていくのでしょう。







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